2015年4月29日水曜日

図案の使用範囲について

個展についてのご感想もいろいろとありがとうございました!
もうずいぶん時間が経ってしまいましたが。


個展中、びっくりしたのがたびたび写真をトレースしていますかと聞かれたこと。
トレースしていません!
トレースしていたらもっとうまく描いてます。こんなに苦労していません。
ご自分でも絵を描くとおっしゃる方がさらっとトレースですかとおっしゃるので
ちょっと心配になりましたが、ご自分で撮った写真は構いませんが
他の方が撮った写真をトレースして絵を書いたらそれは著作権法違反です。


最近、Twitterでもフリマアプリでの著作権を無視した商品が話題になっていました。
著作権は親告罪ですので、著作権所有者が申告しなければ罪になりませんが
だからやっていいということではありません。
気付かないだろうと思っても、
本当は作家さんたちコピーされていることを把握していることが多いです。
見つけて教えてくれる人もいらっしゃいますし。
最近は親告罪をやめるという流れもあるようですし、中学生の逮捕者が出たり
いろいろと問題はありますから気を付けるに越したことはないです。
そうじゃなくてもトレースしていたら絵がうまくならないですよ。


ちなみにわたしの過去にホームページに掲載していた切り絵の図案を
保存しているみなさんが複製し公開しているのをネット上でよく見かけますが
それも著作権法違反です。
ネット上に公開した時点で公のもとにさらすので個人の使用範囲を出たことになります。
3年近く前にホームページから全部削除したのに
やっぱり持っている人はたくさんいるんだなぁ。
気付いているけど我慢していることをわかっていただきたい。
他の人の図案を切り貼りして位置を変えたり、
トレースして絵にしたり、自分の作品の一部に取り込んだりしても
もちろん元の絵の著作権を違反していることになります。
著作権の保護期間は今後変更になるかもしれませんが、
現行法では著作者の死後50年が経過するまでとなっているようです。



※図案集に掲載している図案で作ったものは
販売、図案の公開、展示会等への出品をしなければネット上に公開しても大丈夫です。
(使用した図案集を書いていただけると嬉しいです)
これは法律的には厳密に言うとだめなんですが、
わたしがみなさんが作っているところを見たいのでOK!という意味です。
他の作家さんの場合にはそれぞれ意見が違うと思います。
作ったものをお友達にプレゼントするのも是非!
スキャン画像の公開はそのまま図案として使えるのでお控ください。
用途は切り絵に限らず、立体やテキスタイルなどに図案を使用した場合も同じです。
実際見かけますがフリマアプリ・デザフェスなどで販売するのは禁止です。※


みんな結構知らないんだなぁ。
他のイラストレーターさん、作家さんたちの絵も
バンバンお金儲けに使われていて悲しくなります。
お金儲けに限らず、あれ?この絵はあの作家さんのだなと思ったら
別の人が配置を入れ替えてトレースしただけで自分の作品としてサインを描いていたり。
業者に限らず、学生さん、
お子さんに教える側の親御さんたちまでもやっている状態。

図案集を思いっきり楽しみ尽くしていただきたいという気持ちは変わりません。
著作権など、ご自宅で普通に作って遊ぶ分には気にしなくていいようなことです。
自分では判断ができず、
これはいいのかなだめなのかな?と迷うことがあったら
図案集の巻末の編集部までお問い合わせください。


‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥

8月27日 追記 

仕事でお世話になっている方に、
ブログ見ましたよ、怒ってたね、と声を掛けていただいたので
(大事なことだよねという意味で声を掛けていただいたのですが)
そんなに怒っている文章だったかなと思って見返してみたら
だいぶ怒ってましたね‥ 笑

実はこのとき知り合いの作家さんの作品が思いっきり盗用されているところに
(不正使用した人が自分の作品として新しく発表)
出食わした直後だったのでだいぶ怒った文章になったようです。

自分でも恐い‥(すいません)と思って少し変更と補足をしましたが、
基本的にお伝えしたい内容は変わっていません。
※~※の中は引用している方もいるようなのでまったく変えていません。

ちょうど世間ではデザインの盗用問題で騒がれているとき。
自分が不用意に安易に物を作ることによって誰かを傷つけることがないように、
そして産み出すということには大きな責任が伴うということを改めて感じています。

小学校1年生のとき、図工で作る絵や工作をクラスの女の子に
ことごとくそっくりに作られた時期があったことがありました。
教室の壁に、胴体が黄緑で羽がピンクのトンボが2匹いるやるせなさを思い出します。



現代フランス料理科学事典






















Twitterではおしらせしていましたがこちらではやっとの更新です。
装画を作らせていただきました。


現代フランス料理科学事典 
ティエリー・マルクス (著), ラファエル・オーモン (著), 的場 輝佳 (監修), 八木 尚子 (翻訳)
講談社 2015年3月21日発売

Amazon http://amzn.to/1HWEhkf


専門書に分類されるものだと思うので
あまり手に取る機会は少ないかもしれませんが
料理に出てくる専門用語が事典になっていておもしろいです。
わたしみたいに添加物(を控えること)に興味がある方は知っている言葉がでてきますよー。
『香料の科学』の編集さん、デザイナーさんとまたご一緒させていただきました。
打ち合わせしつつの女子会(?)が楽しいお二人です。
そしていつもながら、お人柄が表れたデザイン。
カトラリーは特色のシルバーです。


透ける紙に貼っているわけではないのですが
紙を持ち上げたら透けました。
結構細かい方の切り絵でしたが楽しく作れました。
でもぬり絵の本の方で線画ばかり何ヶ月も描いていて
切り絵は久しぶりだったので、まず練習でいちごとフォークを何個か作りました。
二週間くらい切り絵をしていないと自分では少し鈍くなっているのがわかります。

線画も楽しい、切り絵も楽しい。